在宅医療を希望する人が増えているので、往診をする医師に同行することになった看護師は、どんな仕事をしなければならないのかを事前に確認しておく必要があります。往診に同行する場合、病院と大きく異なる点は、患者の要望に沿った診察やケアがより重要になるということです。病院では病院側のスケジュールや方法で診察や治療が行われますが、往診の場合は必ずしもその限りではありません。往診の場合、患者は自宅や施設にいる場合が多く、単に病気を治療するというよりは、患者の生活そのものを支える視点が求められます。時には看護師も患者から診療や治療に関して相談を受けることもあるので、医師の医学的なアプローチを踏まえたうえで、患者の希望に寄り添った提案をしなければなりません。
また、往診看護師は患者の生活を支えるという役割から、患者やその家族の心理的な部分のサポートも重要です。体調面が悪化すると精神的にも不安定になるので、こうした不安を和らげるための声かけやメンタルケアは、とても大切になってくるからです。特にアドバイスの部分では、患者が快適に生活できるような環境面の見直しであったり、医療以外のサポートを家族と一緒に模索するなど、幅広い提案が求められます。
それから、往診看護師は、常にポジティブな心構えで仕事に臨むようにしなければなりません。在宅で療養している人の中には、深刻な状況に陥っている方もいるので、ネガティブになってしまうと、往診が辛くなってしまいます。したがって、どんなにシビアな状況でも、患者と一緒に乗り越えようとする前向きな姿勢が欠かせないのです。